東京ディズニーリゾート“変化の年”の課題と展望
【3日間集中更新!】売れっ子ディズニーブロガー・みっこさんによる、誰かに話したくなるディズニー豆知識①
◆スムーズなゲストの移動は、パーク側のメリットでもある
パークを運営するオリエンタルランドの代表取締役会長(兼)CEOの加賀見俊夫氏が2003年に執筆した著書『海を超える想像力』(講談社)には、ディズニーリゾートを作り上げるための経緯等が書かれている。同氏は、ゲストの動向とパーク内で一人当たりの支出単価の関係について、「顧客優先主義に基づく全体最適」という言葉を使っている。
つまり、東京ディズニーリゾート内でのゲストの移動等をスムーズにすることができれば、それだけ「人」が動き、合わせて「お金」も動き、結果的にパーク・ゲスト共に有益な結果になる……というものである。
東京ディズニーリゾートには現在、2つのパークとイクスピアリ、オフィシャルホテルなどを結ぶモノレール「ディズニーリゾートライン」がある。ゲストのスムーズな移動を促すため、建設当初は無料で運行するという計画もあった。許認可の関係等で、残念ながら無料とはならなかったが、スムーズなゲストの移動を非常に重視していることがわかる。
◆ゲストの期待感を刺激するエンターテイメントを
また、「パークの活性化」も現在ゲストに求められてきていることのひとつではないだろうか。「永遠に完成しない」場所として進化を続けるディズニーのテーマパーク。その言葉に沿うように、アトラクションの新規設立やエンターテイメントの刷新は定期的に行われてきている。
しかしながら近年は、キャパシティーの問題などから、既存アトラクションのリニューアル、昨年、一昨年のイベントのアレンジ、開園場所は変えずに演目だけ変更……というマイナーチェンジのものが増えてきている印象を受ける。どの事業も現時点でうまくいっている印象はあるが、爆発的なゲストの来客需要を呼び込むものが導入されていないのも現実である。
そこで期待されるのが、2020年度を目標に計画されている新規事業である。ディズニーランドでは、ファンタジーランドの大規模開発によって、ディズニー映画『美女と野獣』をイメージした新エリアの登場や、屋内型大規模シアターの建設が予定されている。また、ディズニーシーでは、メディテレーニアンハーバーにライド型アトラクションの計画が予定されており、久々の大規模な建設計画、エリア改造に期待が高まるところである。
さまざまな制約の中、こまめに大規模アトラクションの導入することは難しいと思われるが、エリアの刷新や大規模再開発は、ゲストの期待を高める要因のひとつに違いない。
幅広い年齢層のゲストが集まるディズニーリゾート。それぞれの希望や要望を全て叶えるのは簡単ではないが、既存のリピーターだけでなく「ディズニーをあまり好きではなかった層」を取り込むためにも、上記でご紹介したような「顧客満足度を上げる施設・設備」の充実が、目下最重要な課題ではないだろうか。
- 1
- 2